「機械仕掛けの太陽/知念実希人」コロナ禍の壮絶な医療現場に感涙【あらすじ・感想・レビュー】

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ノンフィクション・その他

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。当ブログへようこそ♪

コロナ禍の壮絶な医療現場を描いたドラマ「機械仕掛けの太陽」を読みました!
途中何度も、登場人物と一緒に怒ったり感涙したりしながら、あっという間に読み終わってしまいました。
そして感じたのが……

この本は永久保存版です!!!

知念先生ご自身が、発熱外来を担当されていただけあって、とにかくリアル。
さらに、半分はドキュメンタリーにもなっています。
読んでいると「ああ!そういうことが有ったっけ」と思い出すことがいっぱい。

とにかくお勧めです!なるべく多くの人に、一度は読んでみて欲しい。
どんな作品なのかを、感想とともに、ご紹介したいと思います。

こんな人におすすめ!

・コロナ禍の医療現場(特に最前線)の様子に興味がある
・医療従事者が大変って聞いてはいたけど、どんな風に大変だったの?
・感動するドラマが読みたい
・コロナ禍という時代を記憶して置きたい

あらすじ

呼吸器内科の医師・椎名梓はシングルマザー。4歳の息子と母親と暮らしていたが、コロナ病棟の担当となり、ひとりホテル暮らしを始める。
救急救命部の看護師・硲瑠璃子は、コロナ病棟の担当看護師となり、婚約者を残して自宅を出て病院の寮に入る。
引退を前にした70代の町医者・長峰邦昭は、押し掛ける発熱患者に対応することに。
中国で始まった新型コロナを静観していた人々は、次々と大きなコロナの波にのまれて行くことになる。

見どころ

リアルな医療現場

舞台は主に、椎名梓と硲瑠璃子の勤める病院と、長峰医師の勤める長峰医院なんですが、そこで行われる検査や治療は、とにかくリアル
知念先生ご自身が、発熱外来の担当もされたお医者様だからこその迫力でした。
医療に関して詳しくない私でも分かるように、さりげなく説明が加えられ、患者さんの状態と必要な治療についてスムーズに理解できるように書かれています。
まるで自分が医療チームのひとりになったように、患者さんの状態にハラハラドキドキしながら読み進めました。

それぞれのドラマ

ストーリーの中心となる登場人物の3人、それぞれについてのドラマが圧巻です。

小さな息子を置いて長期にホテル暮らしを続けなければならない梓。
息子も、梓の母親も基礎疾患を持っているので、会いに帰ることも難しい状況です。

また、必死で看護する中で、疲労がたまり次第に心を病んでいく瑠璃子。
看護師になることを父親から反対されていたので、実家に助けを求めることもできません。

それに、老体に鞭を打ちながら、地域の人たちを助けるために戦い続ける医師の長峰。
彼自身も高齢の上に基礎疾患を持っています。

そんな3人とその周囲に、コロナが襲い掛かります。
第〇波として繰り返し押し寄せるコロナの猛襲に、当然、中にはコロナに罹患する人もでてきて……。

それぞれが、それぞれの舞台でコロナや偏見と戦い、周囲の人との絆を作って行きます。
その様子は、感涙せずにはいられません

時系列に沿ったコロナ禍の様子

このストーリーは、時系列に沿って書かれています
中国で原因不明の肺炎が出たところから、2020年、2021年、2022年と、世の中の動きと合わせて書かれているんです。
何が起きたか、世の中がどう反応していたかなどは、ノンフィクションです。

読んでいて自分でもビックリしたのですが、かなりたくさんの出来事を忘れてしまっていました
オリンピックの時の世の中の状態(特に日本の中での感染の状態)とか。
大阪で医療が崩壊してしまったこととか。
その時その時の総理大臣(コロナ過が始まってから今までの3人の総理大臣)が、コロナへどういう対応(政策)を取ったかとか。

人間って、こんなにすぐに色んなことを忘れちゃうものなんですね。
でも、このコロナ禍の様子って、忘れちゃダメなことのはず。
それを改めて思い出させてくれました。

これは、歴史的な出来事の記録という意味でも、重要な意味を持つ本なのではないかと思います。

感想

読んで良かった!!!とすごく思いました。
物語の最初の方、中国での肺炎の様子を知った医師たちは「日本での流行はないよ」と、危機感がありません。
その後のパンデミックを知っている読者(=私)は、そののんびりとした様子に、まるでパニック映画の導入部分を観ているかのようにハラハラさせられます。
あっという間に広がるウイルスと、ウイルスの正体が分からないまま戦わなくてはならない医師たち。
ウイルスに曝されていることで、自身や家族が受ける差別
ウイルスとの戦いの先が見えない中、唯一の武器だと待ち望んでいたワクチンの登場と、反ワクチン派との攻防
どれも読み応えがあったし、ときには登場人物と一緒に怒ったり、感動したり。
読書をしていて、こんなにも心が揺さぶられたのは、久しぶりでした。
良い作品と出会えたなあ。

おすすめポイント♪

・コロナ禍のリアルな医療現場(それも最前線)の様子が分る
・それぞれの医療従事者たちのドラマに感動できる
・新型コロナが登場してからの世の中の動きが記録されている



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あとがき

我が家は転勤族なので引っ越しが多いです。
引っ越すたびに本の荷造りや、引っ越し先での置き場所に苦労するので、なるべく本は増やさないように心がけています。
図書館で借りるとか、電子書籍にするとか。
でも、この「機械仕掛けの太陽」は、新刊を購入しました。それだけの価値があると思ったから。
そして、その予感は大当たりでした。
この本は、今後くり返しくり返し読むことになると思います。
感動を味わうのはもちろんですが、歴史において何があったのかを覚えて置くためと、医療従事者の方々の苦労や思いを忘れないために。

医療に携わる方々に、あらためて心から感謝を伝えたいと思います。
本当に本当にありがとうございました。


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