「滅びの前のシャングリラ/凪良ゆう」1行目で絶対に惹きつけられる【あらすじ・感想】

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小説・日本

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。

2020年に「流浪の月」第17回本屋大賞を受賞した凪良ゆうさん。
受賞後最初の作品が、この「滅びの前のシャングリラ」です。

実は「流浪の月」は未読で、それ以外の本も読んだことがありませんでした。
2021年の本屋大賞に「滅びの前のシャングリラ」がノミネートされ「どんな話だろう」と気になり
あらすじをチラッと見たときに『1か月後に地球が滅びる』設定であることを知り、読んでみたくなりました。

読んで良かった!!!

また、ステキな作家さんと出会うことができました♪

こんな人におすすめ!

・地球滅亡的なストーリーが好き
・なんなら明日滅亡してくれれば良いのに、と思うことがある
・もし人生がまもなく終わるなら、最後に何をしたいかと考えることがある
・自分の人生の意味とは?と考えることがある

あらすじ

1か月後に小惑星の衝突で、地球が滅びることが判明。
いじめを受けていた高校生の友樹は、治安が悪化する中、東京に行きたいという幼馴染の雪絵に付き添うことにした。
恋人から逃げて女手ひとつで友樹を育てた母・静香と、人殺しのヤクザ信士、恋人を殺した歌手のLoco。
それぞれが、残された時間で自分の人生や幸せについて考える。

見どころ

各章の1行目

この作品は、友樹、信士、静香、Locoの4人の視点で各章が書かれています。
それぞれの章の1行目が、グイっと惹きつけるんですよね。
例えば

江那友樹、17歳、クラスメイトを殺した。
死んでもまったく悲しくないやつだったが、自分の手で殺すことになるとは思わなかった。

滅びの前のシャングリラ

という風です。
これは1章の出だしなんですが、各章こんな感じのインパクトのある始まりになっています。

それぞれの視点と絡み合う人生

それぞれの視点で描かれている各章ですが、その章の主人公の生き方に引き付けられてしまいます。
もちろん、中には「コイツには共感はできないな」と感じさせる登場人物もいます(笑)ので、惹きつけられるのではなく、引き付けられるで。
「この人この後、どうするんだろう?」「大丈夫なんだろうか?」とハラハラさせられると言った方が良いのかもしれません。
とにかく、それぞれの人生の先が気になって仕方がないんです。

そして、その4人の人生が、物語の進行とともに、ときに複雑に、ときにさりげなく絡み合っていきます
その織りなす模様も楽しいのです。

ラストの切なさ漂う感動シーン

あちらこちらの感想でラストを高評価しているものが多いようですが、私もこの終わり方は好きです。
「地球が滅亡する」ストーリーって最後どうなるのか、気になりますよね。
どこで、どう終わるのか。最後の最後まで描くのか。
でも、この小説の最後のシーンは納得のいく終わり方でした。
心が温かくなりつつも、切なくて、感動する。
印象に残るラストです。

感想

何げなく本を開いて目に飛び込んできた、1章の1行目。
もう、友樹がいつどこで、どういうシチュエーションでクラスメイト(だれ?)を殺したのかが気になって気になって!
だって、読み進めて行けば行くほど、友樹は優しい子で、いじめられても反抗することさえしないのに。
殺人に至るまでに、どんな謎が!?
思わずミステリ好きの血も騒ぎました(笑)。
そんな弱虫の友樹が、片思いの美少女のボディガードとして、治安の悪化する中、東京まで行こうっていうんですよ。
殺人のシチュエーションもですが、この先どうなるのかが気になってしまうのは仕方がないですよね。

そして、ちょっと本を置いて一休みしようかという所での第2章。
いや、なんか、また気になる始まりじゃないですか!

そう。こんな感じで、地球がどう滅ぶのかも気になるけど、それぞれの人物の「この先」も気になるし。
とにかくページをめくる手が止まりませんでした!

そして、友樹のお母さんのキャラも最高でした!!!
強くて(心も腕っぷしも)、豪胆で、愛情深くて。
私このお母さん大好き♪

読みながら、自分の人生や幸せについても考えさせられるストーリーでした。
ラストも良かったなぁ。
私だったら、最後の瞬間はどうするだろう。。。。

おすすめポイント

・惹きつけられるストーリー展開と登場人物の人生
・限られた時間の中で、生きる意味を追う姿
・自分の人生や幸せについて考えさせてくれる


「滅びの前のシャングリラ」まとめ

初めて読んだ作家さんでしたが、とにかくグイグイと物語に引っ張られて、あっという間に読み終わってしまいました
途中、私のあまり好きじゃない暴力的なシーンや悲惨なシーンも出てくるのですが、それでも全体的にはすごく面白かった!
特にラストは印象的です。このラストシーンは映画にしても映えるだろうなあ。

人生の袋小路に入ってしまったような気分のときに読んでみても良いかもしれません。

私は切なく、楽しく、感動しながら読ませていただきました!

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