「ミュゲ書房/伊藤調」読み始めたら止まらない鮮やかな逆転劇【あらすじ・感想】

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小説・日本

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。

以前から気になっていた「ミュゲ書房」を読んでみました。
時間のある時にゆっくり読もう、と読み始めたはずだったのですが、止められなくて一気に読んでしまいました。
読む前のイメージとしては「居心地の良さそうな本屋さんが舞台の穏やかなストーリー」だったんですよ。
でも、読み始めてびっくり。
意外な真実や、痛快な逆転劇に目が離せなくなり、気が付けば仕事も放り出しての一気読みです!

いやあ!面白かった!!!

こんな人におすすめ!

・人生につまづいた人間が逆転する話が好き
・居心地の良い本屋さんに入り浸りたい
・図書館の雰囲気が好き
・本を作る過程に興味がある
・北海道大好きor北海道にゆかりがある

あらすじ

大手出版社の編集者・宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化することができず責任を感じ退職した。
祖父が残した北海道の書店「ミュゲ書房」を継ぐことにした章は、ミュゲ書房に集まる人々の助けを借りて書店を運営しつつ、新しく編集の仕事を始めることになるのだが――。

見どころ

ミュゲ書房の雰囲気

ミュゲ書房は、大正時代の洋館を改装した書店です。それだけでも魅力的なのに、建物の中の雰囲気も最高!
特に魅力的なのは、店の奥にある「塔の部屋」。吹き抜けの2階部分にはぐるりと通路があり、壁は1階と2階の天井まで本棚になっています。
1階にはベンチを兼ねた出窓もあります。
章はそこを絵本と児童書のコーナーにするんです。
想像しただけで、うっとりしてしまうような空間じゃないですか?

さらに舞台は北海道のA市となっていますが、作者の伊藤さんご出身の小樽だと思われます。
作中には、小樽の名物スイーツやらがたくさん出てきて、北海道好きさんや北海道にゆかりのある方なら、思わずニヤリとしてしまうこと請け合いですよ(笑)。

魅力的な登場人物

登場人物もみんな魅力的です。
本当に良い本を作りたいという情熱を持った主人公・宮本章はもちろんですが、ミュゲ書房を手伝う天才的な高校2年生・永瀬桃が印象的です。
本好きの彼女は、記憶力抜群でミュゲ書房内の本はほとんどの配置を覚えているという強者。
それ以外にも彼女には驚かされるポイントがたくさんあるのですが……。その辺は読んでのお楽しみです。

どん底からの大逆転劇

主人公の宮本章は、本当に良いと思える本を出版することができずに、失意のうちに大手出版社を辞めてしまいます。
収入は0、祖父から引き継いだミュゲ書房も採算がとれるかは微妙な状態。
いわばどん底です。
そこから、彼の人脈や経験、熱い思いがまじりあって、最後には人生を逆転させていくんです。
この逆転劇は面白いですよ!
この物語は、読み終えた後の爽やかな快感を約束してくれます!

感想

あー、面白かった!!!
冒頭でも書きましたが、静かで穏やかなストーリーかなと思っていたら、読み始めと同時にぐいぐい引っ張られて

まさかの仕事を放り出しての一気読みですよ!

居心地の良い図書館のような雰囲気のミュゲ書房にうっとりし
ちょっと頼りない主人公にハラハラし
それを支えてくれる個性的な周囲の人々に魅了され
たびたび登場する小樽の名物にニヤリとし
どん底から徐々に這い上がっていく主人公の様子に知らず知らずこぶしを握り締め……

いやー、どこで読むのを休めば良いの!!!?

本を閉じる暇がありませんでした

作者の伊藤さんは「読者さん途中でが飽きないように、あれこれ考えて」書いているとおっしゃっていましたが、それ、大成功です!

また、本を出すまでの過程なども詳しく書かれていて、とても興味深かったです。
私が毎日読んでいる本も、いろいろな人の力が集まってできてるんですねぇ。

おすすめポイント

・ミュゲ書房の魅力的な空間
・主人公の0からの大逆転劇
・個性豊かな登場人物たち
・しばしば登場する小樽の名物スイーツや食べ物♪

「ミュゲ書房」感想あとがき

以前から気になっていた「ミュゲ書房」。年末年始の忙しい時期が終わったので、少しずつゆっくり読むつもりでした。
まさか1日で一気に読んでしまうことになるとは。
実は年末年始あまり仕事ができずに、この時点でお仕事けっこう溜まっていたんですよ~!
夢中になって読んでいて、半分くらい読み進めてしまったときに「まずい、今読書に時間かけてはいけない💦」と思ったのですが、どうしても読むのを止められませんでした。

え?放り出したお仕事は大丈夫かって?
先週、今週とバリバリ頑張ってどうにか今月分を間に合わせました!!!危なかった(笑)

なので、今どうしてもやらなければならない事がある!という方は、それを済ませてからこの本を手に取ることをお勧めしますよ~。
読み始めちゃったら、途中で止められないからね。

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