「折れた竜骨/米澤穂信」ファンタジー&どんでん返しありのミステリー【あらすじ・感想】

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その他

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
本日ご紹介するのは、米澤穂信さんの「折れた竜骨」です。
電子書籍の会社が、私の読書歴からお勧めしてくれたこの「折れた竜骨」。
AIが、きっと私が好きだろうと分析したのだと思いますが、まさに私のツボでした!
面白かったぁ!!!夢中で読みふけってしまいました
ファンタジーもミステリーも大好き♪という方にはまさにお勧めの作品です!

ファンタジーなので、魔術も出てきます。舞台は中世ヨーロッパです。
そんな世界のミステリーなんて、大丈夫?と思いますよね?私もちょっとそう思いながら読みました。
でも、読む前に想像したのと違って、しっかりとした本格的な推理小説でした!どんでん返しの楽しさも味わえます♪

こんな人におすすめ♪

・ミステリーも好きだけどファンタジーも好きだ
・中世ヨーロッパの世界に浸りたい
・魔術が出てくるとか面白い
・魔術がある世界での推理小説ってどんな感じ?

あらすじ

ロンドンから帆船で3日ほど行った場所にあるソロン諸島。その領主の娘アミーナは、ある日、旅の騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士二コラと出会った。
ファルクは、自分が追っている暗殺騎士が、アミーナの父を狙っていると告げる。
暗殺騎士は、魔術であやつった人間に殺人をさせ、あやつられた人間=走狗(ミニヨン)はそのことを全く覚えていないという。
やがて、誰も渡って来れないはずの領主の住む島で、夜の間にアミーナの父が殺されているのが発見された。
走狗(ミニヨン)はいったい誰なのか。暗殺騎士はソロン諸島に来ているのか。
アミーナは、ファルクや二コラとともに、犯人を捜す。

見どころ

ファンタジーな舞台

何と言っても、この作品の魅力はファンタジーとミステリーの融合です。
舞台は中世ヨーロッパ。騎士や従士がいて、魔術師や死ねない呪われた人間「デーン人」も出てきます
(デーン人は、切られても死にませんが、唯一首を刎ねられると死ぬのは、鬼滅の刃の鬼と似ています)
さらに、いろんな魔法も出てくるから面白い。

魔法が出てきたら、それを殺人に使えばいくらでも抜け道があって、謎解きがつまらないんじゃ……?と心配になりますが、大丈夫なんです。
魔法などの、この世界の設定は事前にちゃんと細かく説明があるので、それを頭に入れて置けば良いだけなんです。
この魔法は、こういう風になってるよ。
こういう時は使えるけど、こういう時は使えないよ。
など、細かくルールを教えてくれるので、普通の推理小説よりも理路整然としていて分かりやすいくらい
最後の謎解きを読んでも、そんな理不尽な!と感じることはありませんでした。

本格的な推理小説

読んでいてビックリしたのが、かなり本格的な推理小説になっていることでした。

殺人があったのは夜。
夜の間は領主の住む島へ渡る方法はなく、天然の要害になっているはずの状況。
犯人は夜も島に残っている家族と使用人の中の誰かなのか――?

ところが、探偵役のファルクが、夜中に隣の島から領主の島へ渡れる方法を見つけ出します。
アミーナの父は、殺害される前にデーン人が島を襲撃するという情報を得て、傭兵を集めていましたが、
これで、隣りの島に居た傭兵たちも容疑者から外せないことが分かります。

なにしろ犯人は、あやつられているので動機から推理することもできないし
本人はまったく覚えていないので、追い詰めて告白させるわけにも行きません。

最後は、容疑者をみんな集めて犯人を指摘するという本格派の流れになっています。

デーン人の襲撃

死なない呪いにかけられているデーン人たちの襲撃も見どころのひとつです。
首を落とす以外に倒す方法がないデーン人を相手に、数の上で不利な傭兵たちが戦います。
剣だけでなく、魔法も使っての戦いは、ハラハラワクワク
ファンタジーの楽しい要素が満載です。

感想

とても面白いミステリーで、一気読みしました!
心配していたファンタジー世界の設定も、まったく気にならず。
この世界のルールを丁寧に説明してくれる分、通常の「おかしな部分に自分で気が付かなければならない」ミステリーよりも、スッキリとして分かりやすかったです。
犯人が分かりやすいという意味ではなく、状況が頭に入りやすいという意味で。
残念なのは、期待していた恋愛要素がまったくなかったことかなぁ。
令嬢と騎士とか出てきたら、いろいろと期待するじゃないですか(笑)。
最後は、名探偵が容疑者を集めるように、全員の前で犯行を紐解いていくくだりは、まさに正統派の推理小説でした。

そうそう。犯人は全然分かりませんでした!見事などんでん返しです。
多分、ほとんどの人が当てられないんじゃないかなあ。。。

おすすめポイント

・ファンタジー世界の中で楽しむ本格ミステリー
・中世ヨーロッパの世界観
・絶対に分からない犯人
・どんでん返し



コミックも出ていました♪

あとがき

読み終わって、このブログを書くまで知らなかったんですが、この作者さんは「黒牢城」の方だったんですね!
本屋大賞にノミネートされていて、本屋さんに行くたびに、気になって気になっていた「黒牢城」。
「折れた竜骨」と同じ作者さんだと知り、ノミネートされたのも納得しました。
今、読みかけの本が数冊あるんですが、それを読んだら「黒牢城」も読んでみたいと思います!

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