「黒猫の小夜曲/知念実希人」記憶喪失の魂を救え!【あらすじ・感想】

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ミステリー日本

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。

知念実希人さんの作品、お勧め9選でもご紹介した「黒猫の小夜曲」は、私の大好きな死神シリーズの2作目です。

1作目の「優しい死神の飼い方」の死神ゴールデンレトリバーのレオの同僚が、今回の主人公。
「こんな地上で暮らすなんて、かわいそうに。僕には考えられないね」くらいの勢いだった彼が、とうとう地上での仕事を命じられます。
地上での仮の姿は黒猫。
1作目では、あまり良い印象じゃなかった彼ですが、この作品で大好きになってしまいました。

今回も、謎解きと感動をたっぷり楽しむことができますよ♪

こんな人におすすめ!

・「優しい死神の飼い方」にハマった
・ネコが大好きだ
・少しずつ明らかになる手がかりを組み立てるのが好き
・読みやすくて、内容の濃いミステリーが読みたい

あらすじ

我が主様の命で、非常に不本意ながら、黒猫の姿で地上に降り立った死神の「クロ」。
迷える魂を「我が主様」の元へ送る仕事をしなくてはならない。
そこで、さっそっく出会った迷える魂は、なんと記憶喪失!
自分が誰だったのか、なぜさ迷っているのかも覚えていないという。
クロは、昏睡状態で眠っている女性の身体を使って、魂を同居させることにする。
一時的に生き返った彼女とともに、街をさまよっている地縛霊たちの未練を解消していくクロは、やがて、ある大きな事件の存在に気が付く。

見どころ

「使っていない」身体を借りて生き返る魂

「優しい死神の飼い方」では、ホスピスという場所で、死を間近にした人々が未練なく逝けるようにレオが謎を解決していましたが、今回はすでに亡くなってさ迷っている魂が対象です。
そこで一番最初に出会った魂がなんと記憶喪失。
「もう一度、生き返れば記憶が戻って迷いなく成仏できるかも」という魂の言葉で、クロは昏睡状態の女性(麻矢)の身体に、この魂を入れて一時的に生き返らせることに。
この小説では、亡くなった人が生き返って、自分が死んだ謎を解くことになります。
こんなミステリー初めてです!

明らかになっていく大きな事件

街をさ迷っている魂を見つけては、その未練を解決していくクロですが、バラバラだと思っていたそれぞれのケースが、全部繋がっていることに気が付きます。
やがて、身体の持ち主(麻矢)が昏睡状態になっているのは、麻矢を狙った車が故意に轢いたからだと判明。
昏睡状態から覚めた(ことになっている)麻矢は、再び狙われる可能性が出てきます。
麻矢(の身体の持ち主)は、いったいなぜ狙われていたのかの謎も絡んできて、読み応えたっぷり。

再び登場する死神のレオ

死神シリーズ1作目「優しい死神の飼い方」の主役、ゴールデンレトリバーのレオも再び登場します。
事件の謎を解く手伝いをしてくれたり、クロに先輩風を吹かせてみたり。相変わらず魅力的です。
この作品では、レオもたっぷり活躍してくれるので、レオファンは必読ですよ!

感想

まず、とても読みやすくてスルスルと読んでしまいました。
軽快な語り口と、次々と展開するエピソード。

ひとつひとつの小さな謎を解くうちに見えてくる大きな事件

そこからの緊迫感とサスペンス
読むのがやめられませんでした!

また、死神シリーズ1作目では少々お高く留まっていて、虫の好かないヤツだったクロですが、人と触れ合ううちにどんどん変わっていきます。
クロはネコの姿な分、危機には弱いんですよね。レオみたいに大きな体で犯人に体当たりしたり噛みついたりできないし。
でもそれを頭脳と敏捷性で補うの!
その辺も見ごたえがありました。

最後は思わずホロリと涙が……知念さんの作品は、必ず泣かせてくれますね。

大満足の1冊でした。

おすすめポイント

・自分の死の謎を解く魂
・だんだんと明らかになる事件の謎とサスペンス
・クロと麻矢(魂)の交流と涙のラストシーン

「黒猫の小夜曲」まとめ

実は知念実希人さんの作品で、私のイチオシなのが「優しい死神の飼い方」なんです。ストーリーも、登場人物(登場犬)も全部好きで!
でも、この作品も負けないくらい面白かったです!
「優しい~」後のレオの姿が見られたのもうれしかった。

死神シリーズ、お勧めです!
このシリーズ、出来ればまだまだ読みたいなあ。

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