新しい世界に飛び出すときに「こすずめのぼうけん」【読み聞かせ・低学年・進級時】

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絵本

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
今回は、毎年、入学して間もない一年生のクラスで読むことにしている絵本をご紹介します。
「こすずめのぼうけん」です。
こすずめが初めて巣から飛び立ったときのお話は、幼稚園・小学校に入ったばかり、また、学年が上がって新しいクラスになったばかりの子ども達にピッタリ。
こすずめのぼうけんが、勇気をくれますよ。

おすすめの学年&時期

・小学校低学年(幼稚園も♪)
・4月~5月など入学・新学年になったばかりで不安な時期

あらすじ

ようやく羽が生えそろったこすずめは、初めて空を飛ぶ練習をしてみました。
「石垣の上まで飛んだら、今日の練習はおしまい」とお母さんすずめに言われていたのに、こすずめは「もっと遠くまで飛んでいける」と、どんどん飛び続けてしまいます。
羽が痛くなってしまったこすずめは、休ませてもらおうと他の鳥たちの巣を訪ねますが、どこに行っても断られてしまいます。
やがてあたりは暗くなりはじめ、こすずめはとうとう飛ぶことができなくなってしまい――
(所要時間 約7分)

こすずめのぼうけんの魅力

初めての世界を体験するこすずめ

この絵本の一番の魅力は、何と言っても、こすずめが生まれて初めて巣から飛び出して外の世界に出ていくというストーリーです。
こすずめは、初めてお母さんの元を離れて知らない大人たちに会い、大変な思いをするんです。
幼稚園や小学校に入ったばかりの子たちは、まるで自分のことのようにハラハラと心配しながらお話に聞き入ります。

礼儀正しいこすずめ

また、この主人公のこすずめなんですが、ものすごく礼儀正しいんですよ。
飛び疲れたこすずめは、少し休ませてもらおうと、さまざまな鳥たちの巣を訪ねていきます。
そこで毎回、巣の主に「あの、すみませんが、なかへ はいって、やすませていただいて いいでしょうか」とたずねるんです。
疲れて羽が痛くて、もうへとへとなのにも関わらず、この言葉遣い!
なんていい子なの!?
と、思わず大人もホロリとして、応援せずにはいられません。

あたたかいラスト

どこの巣に行っても「お前は、私の仲間じゃないからダメ」と断られてしまうこすずめ。
いよいよあたりが暗くなり、こすずめは飛べなくなってしまいます。
聞き手の子どもたちも、息をひそめて成り行きを見守っています。
でも、大丈夫。
最後は、ちゃんとお母さんすずめと会えて、おんぶしてもらって帰るんですよ。
そして、自分の巣の中で、お母さんの羽根に抱かれて眠りにつきます。

その終わり方と、おんぶされたラストシーンで、どれだけ子どもたちがうれしそうに、ホッとした顔をするか!
この温かいラストシーン、大好きです。

読み聞かせポイント♪

このお話は、とにかく優しい声で、淡々と静かに読むのが一番かもしれません。

その中でも、私が気をつけているポイントは、最初のこすずめがひとりで冒険に出かけるシーンで
こすずめのワクワク感が伝わるようにすること
でしょうか。
それと、こすずめの「やすませていただいて いいでしょうか?」というセリフがくり返し出てきますので
少しずつ疲れた感じを強めにして行くこと
かなあ。

絵本の情報
「こすずめのぼうけん」 ルース・エインズワース作 石井桃子訳 堀内誠一画 福音館書店 こどものとも傑作集


最後に

この絵本が一番のお気に入り!」という子は多いと思います。
私はこのお話を暗記して、ストーリーテリングでも使っていました。
絵本を使わずに、皆の顔を見ながら語るストーリーテリングだと、子ども達の表情がダイレクトに見れるので、どれだけ皆が自分事として聞いているのかが伝わって来ます。
あちこちの巣で、こすずめが追い返されるたびに悲痛な表情になっていき、最後にお母さんと会えたシーンでは、思いっきりホッとした様子を見せてくれるんです。
礼儀正しいこすずめも可愛いけど、そんな聞き手の子ども達も可愛いなと思わせてくれる絵本です。

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