こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
3匹の子豚のストーリーはご存知ですか?
子豚の兄弟が建てたお家を、オオカミがやってきて壊してしまう、あの話です。
今回の絵本は、かわいい3匹のオオカミが建てた家を悪い大ブタが壊してしまうお話。
「3びきの かわいい オオカミ」です。
「なんだ、パロディか」と思ってはいけません。
この絵本は、すごく楽しい上に大人も考えさせられる素晴らしいお話なんですよ。
・1年生から6年生まで(幼稚園・保育園も)もちろん大人も楽しめます
・季節を問いませんので一年中いつでも
あらすじ
自分たちの家を造って暮らすことになった3匹の子オオカミ。お母さんの家を出るときに「悪い大ブタには気をつけるのよ」と言われます。
3匹は、まずレンガで家を造りました。すると、そこへ悪い大ブタがやってきて「ドアを開けろ!」と怒鳴ります。
3匹が断ると、大ブタはハンマーを持って来て家を壊してしまいました。3匹は逃げ出して新しいお家を造るのですが――。
(所要時間 約13分)
絵本の魅力
逆さまのストーリー
やはり一番の魅力は、オオカミとブタの関係が逆になっていることです。
かわいい3匹のオオカミと悪い大ブタがそろったところで、子どもたちは大盛り上がり。
大体のストーリーの流れが予想つくからこそ、楽しいお話です。
悪すぎる大ブタ
ところが このブタ、わるいのなんのって もう とんでもない わるブタだったんです。
「3びきの かわいい オオカミ」
このフレーズが作品中に3回も出てくるくらい、とにかくこの大ブタが悪いやつなんです。
「3匹の子豚」に登場するオオカミが、なんていいヤツだったんだろう!と思ってしまうくらい。
なので、読んでいると、次に大ブタがどんなとんでもないことをしでかすのかと、ハラハラドキドキ、目が離せません。
心温まるしめくくり
この絵本が3匹の子豚の単なるパロディと違うのは、ラストに行くところの展開です。
ああ!そう持ってくるんだ!
と、思わずほっこり。心が安らぐストーリーになっています。
絵本ならではの展開というか、読み終えたときには、心が洗われているのが確実です。
読み聞かせポイント♪
この絵本は単体でも楽しめますが、やはり3匹の子豚を知っていた方が、ずっとずっと楽しく読むことができます。
今の時代って、意外と3匹の子豚を知らない子が多いんですよね。
もしかすると親御さんの世代でも、ちゃんとしたストーリーは知らない方が多いかもしれませんね。
本来の3匹の子豚って、2匹のお兄さんブタたちはオオカミに食べられてしまうんですよ。ご存知でしたか?
なので、まずは「3匹の子豚」を先に読んであげるのが一番のポイントかもしれません。
本来の形の「三匹の子豚」を読むなら、福音館書店の絵本をどうぞ。
読み聞かせ時のエピソード
この絵本は約13分と、かなり長いです。本もやや大きめなので、手が疲れてくるくらい。
なのに子どもたち全く飽きません。
悪い大ブタがいろんな方法でオオカミたちの家を壊してしまうので「(大ブタは)次は何をするんだろう」と、ハラハラドキドキするんです。
でも、そのスリルの中でも、時おりユーモラスな表現が出てきます。
オオカミたちの家がどんどん頑丈で立派になるので、大ブタはドアをどんどん!ではなくて『ドアについているテレビでんわのボタンをおして』開けろと言わなくてはならなかったりね。
その度に、子どもたちは盛り上がっていました。
1年生でも飽きるどころか、どんどん引き付けられて、いつの間にかじわじわ前に出てきて聞いていました。
絵本の情報
「3びきの かわいい オオカミ」ユージーン・トリビザス文 ヘレン・オクセンバリー絵 こだま ともこ訳 (冨山房)
最後に
今回、久しぶりにこの絵本を読んでハッとしました。
大ブタがオオカミの家を壊していくときに、だんだんと使う武器がエスカレートしていき、最後にはダイナマイトを使うんです。
正直、今のこの時期に紹介したり、子どもに読み聞かせするのってどうなんだろう……と、ちょっと迷ってしまいました。
でも、最後の展開を読んだときに「ああ、やっぱりこの本は今だからこそ、読んだ方が良いのでは!」と感じたんです。
絵本だし、子どもの世界だから、とてもきれいごとで終わっています。
でも、大人になって汚れてしまった心を、一度この絵本で洗い流してみるのも良いかもしれません。
子ども達とは、また違う視点で大人も考えさせられる絵本です。
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