こんにちは!ゆっこう(yuccow)です。
知念実希人さんの「崩れる脳を抱きしめて」を再読しました。
初めて読んだのは、本屋大賞にノミネートされた時だったかなあ。それからしばらく経ってからだったかも。
ラストへのどんでん返しが印象的で、もう一度読み返したいと思っていたのでした。
この作品は、恋愛ミステリーと呼ばれているそうで、確かに恋愛要素が強いかも。
確かなことは、何回読んでも泣ける!ということでしょうか。
あらすじ
神奈川にある「葉山の岬病院」に実習に来た、広島出身の研修医の碓氷蒼馬は、そこで脳腫瘍を患うユカリと出会う。
老人の多い病院の中で、年の近い二人は少しずつ打ち解けあっていく。
蒼馬は、恐怖で病院の外に出られないユカリにつきそい外出を可能にする。一方、ユカリは父との過去にとらわれている蒼馬の心を解き放つのだった。
実習を終えて広島に戻った蒼馬に、ユカリが亡くなったことが伝えられた。ユカリは横浜の路上で倒れていたという。自分が付き添わなければ外出できなかったはずなのに……と、その死に違和感を感じた蒼馬は、彼女の死にまつわる謎を解こうと横浜に向かう。
見どころ
切ない恋愛模様
恋愛ミステリーというだけあって、前半部分、いえ、全体の3分の2は恋愛中心にストーリーが進んでいきます。
ただ、片方は将来アメリカで学びたいと言っている研修医で、もう片方は、余命数か月かと思われる脳に爆弾を抱えている患者です。
この設定は、切なすぎですよね!
でも、怖くて外出ができないユカリさんに寄り添う碓氷先生もステキだし、父との関係からお金に取りつかれてしまっている碓氷先生を、鮮やかな推理?で解放してあげるユカリさんもカッコイイ。
お互いが惹かれあっていく様子は、切なくて楽しかったです。
いくつものどんでん返し
途中で大小のどんでん返しがいくつも出てきます。
例えば、小さなところでは碓氷先生のお父さんについてのある事実とか。
ユカリさんが亡くなった後のストーリーでは、2転3転するので「え?え?え??」と、途中で頭の中が追い付かなくなりそうでした。
そして、どんでん返しがあるたびに泣かせられるんですよねぇ。
感動と涙
ということで、不意を突かれるたびに、何度も泣かせられました。
「葉山の岬病院」 での実習中、一旦実家に帰った碓氷先生は、ユカリさんの指令に従ってお父さんに関する資料を集めます。
それを見たユカリさんが、碓氷先生の亡くなったお父さんについての事実を突き止めるのですが……。
これは泣かずにはいられませんでした。
さらにユカリさんの亡くなった状況を突き止めようとする過程で、色々なことが明らかになっていきます。
2転3転する事実に、その都度感動したり、涙したり。
最後は涙ボロボロです!
おまけ
「優しい死神の飼い方」のレオもちょっとだけ出演してますよ~。「優しい~」ファンの方は必見です♪
感想
「祈りのカルテ」の感想でも書きましたが、知念さんの作品は、どんでん返しの後に登場人物の印象がガラリと変わったり、感動させられたりします。
「祈りのカルテ/知念実希人」心がほっこり♪読みやすい病院ミステリー【感想・あらすじ】
「崩れる脳を抱きしめて」でも、どんでん返しがあるたびに泣かせられました!
また、前半の恋愛小説的な部分も楽しかった。この恋愛要素があってこそ、後半の違和感やスリル、切なさを、主人公に感情移入して楽しむことができました。
特に後半部分は、もう手が止まらずに一気読みでした!
これは、勇んで謎を解くというのではなく、それぞれの切ない想いに寄り添いながら、しみじみ感動するというミステリーです。
読み終えた後は、余韻に浸ること間違いなし。
恋愛もミステリーも楽しみたい人に、ピッタリの作品です!
・思わず涙する感動シーンがいくつもある
・恋愛もミステリーも楽しめる
・読み終えた後も余韻に浸ってしまう
「崩れる脳を抱きしめて」まとめ
恋愛ミステリーだと知らずに読み始めたのですが、最初からぐんぐんストーリーに引き込まれました。
「そういえばミステリー的な事件は起きてないかも?」と気が付くこともなく(笑)、夢中になって読んでしまいました。
ユカリさんの死をきっかけに一気にミステリーになるのですが、その転換も印象的だったし、すでに二人のストーリーに引き込まれていたため、私も碓氷先生と一緒になって、必死に謎の手がかりを追いました。
読後感は「ああ、良い話だったなあ」でしょうか。
胸の片隅にほんの少しだけ切なさを秘めつつ、本を閉じました。
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