「沈黙のパレード/東野圭吾」謎解きをたっぷり楽しんだ後のどんでん返し【感想・あらすじ】

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ミステリー日本

こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
「沈黙のパレード」は、東野圭吾さんの人気作品「ガリレオシリーズ」のひとつです。
今回湯川先生が登場するのは、いつもの大学の研究室ではなく、町の定食屋さん。
常連さんになって皆と交流する姿に「あー。湯川先生って意外と人見知りじゃないのね!」と感じました(笑)。
2転3転する結末に翻弄されながら、たっぷりと楽しい時間を過ごすことができました!

こんな人におすすめ!

・ガリレオシリーズが大好き
・複雑なトリックを解き明かしたい
・湯川先生と草薙刑事の交流が見たい

あらすじ

町中の人たちに可愛がられて育った定食屋の娘、佐織には天性の歌の才能があった。
プロとしてのデビューを間近にして行方不明になった佐織は、数年後に遺体として見つかる。
逮捕された犯人は、23年前にも少女殺人事件の犯人として逮捕され無罪となった男、蓮沼だった。
「自白さえしなければ無罪になる」と言っていた蓮沼は、今回も黙秘を貫き、釈放されてしまう。
遺族の神経を逆なでするような行動をとる蓮沼に、町の人たちは憤る。
やがて、蓮沼が遺体で発見された。だれが、どうやって復讐したのか?

見どころ

首を絞められていないのに窒息死?

寝たままの状態で、死体となって見つかった蓮沼には、首を絞められたような跡はありませんでした。
なのに死因は窒息死。口をふさいだような形跡も、誰かと争ったような形跡も皆無なのです。
一体、どうやって窒息させたのか。
湯川教授が、その謎にせまります。

みんなアリバイがある!

今回の殺人は、佐織の復讐とみられるのですが、一番の容疑者である両親には、絶対的なアリバイがありました。
佐織を可愛がっていた町の人たちや、歌の指導者にもそれぞれアリバイがあるのです。
誰が、どうやったら、この犯罪が可能になるのか。この謎解きは見ごたえがあります!

どんでん返し

途中で過去の事件も絡んできて、複雑な展開になったこの復讐劇。
すべてに理由がつけられて、犯人も分かって一件落着。。。と、思わせてからの2転3転する展開が面白い!
「え!?この人なの!?ウソでしょ!」
と、思いもしなかった方向に、話が進み、目が離せません。
ここで詳しく書けないのが残念です!

感想

今回の湯川先生は、定食屋さんの常連になって皆と楽しそうに過ごしていたり、折りたたみ椅子を持ってパレードを観に行ったりと、人間味があふれていました。
研究(と謎解き)以外でも人生を楽しんでる感じ♪
なんか、こういうの良いなあと思ってしまった。

一方、被害者の佐織は「純粋で可愛くて歌に一生懸命な高校生」という最初の印象が途中からガラリと変わり、うーーーん?と、残念に思ってしまいました。
みんな、この子のために復讐したいとまで思ってたのに?って思うと、ちょっと複雑な気分に。
まあ、亡くなった人(特に若くして亡くなった可愛い女の子)のことは、皆どんどん心の中でイメージUPしていくから。
そういうことなのかな、と思いました。
ある意味、この佐織の印象の変わり方も、一種のどんでん返しなのでしょうか。

肝心の謎は、何となく皆が協力したらうまく行くんだろうなあとは、思いつつもハッキリとは分からず。
というか、途中まで分かった気になってたんですが、最後でドンと裏切られ、更にその後も……。

どんでん返しにすっかりやられてしまいました!

やっぱり東野圭吾さんは、一筋縄どころか二筋縄?でも行きませんね!


おすすめポイント

・複雑なアリバイ工作の謎
・2転3転するどんでん返し
・湯川先生の推理


まとめ

「沈黙のパレード」は、最後のどんでん返しが綺麗に決まる作品です。
読み終わった後に「やられた!」って感じたい人には、ぜひ読んでほしい!

登場人物の人物像にこだわりがある人は、佐織の描かれ方をどう受け止めるかで、好みが分かれるかもしれません。
佐織はある意味、とても若い子らしい、人間味のあるキャラクターだと思いました。

今回は、湯川先生もとても人間味あふれる描かれ方をしているので、それもまたこの作品の味なのかもしれません。

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