「兇人邸の殺人/今村昌弘」スリル、ホラー、そして殺人【感想・あらすじ】

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ミステリー日本

こんにちは!ゆっこう(yuccow)です。
衝撃的なデビュー作「屍人荘の殺人」を書かれた今村昌弘さんの新作「兇人邸の殺人」を読みました!
今回も衝撃的でした~!
最初から最後まで、ドキドキハラハラのしっぱなし!
舞台設定といい、ストーリーといい、最高でした!

さっそく、そのあらすじと見どころ・感想をお伝えします!

こんな人におすすめ!

・特殊な状況でのクローズドサークルに興味がある
・サバイバルやホラー系が大好き
・「 屍人荘の殺人 」でハマった

あらすじ

廃墟をテーマにしたテーマパークの中にある「兇人邸」。
武装したグループと共に、兇人邸に侵入した葉村譲と剣崎比留子は、圧倒的な力で次々と人を殺していく巨人に遭遇する。
「巨人に捕まる=死」を意味する中で、メンバーは迷路のような邸内を逃げ回る。
やがて、比留子が行方不明になり、仲間は次々と死体になって見つかるのだが……。

見どころ

圧倒的な巨人の力

今回登場するのは、班目機関によって作り出された巨人です。
その運動能力はすさまじく、一瞬で移動し、パワーも人間とは比べ物になりません。
葉村たちと一緒に兇人邸に侵入した武装グループは、元兵隊などのプロですが、全く歯が立たず、一瞬にして、次々と巨人にやられていきます。
そう。巨人に遭遇することは、イコール「死」を意味しているんです。

不気味な屋敷と逃げ回る恐怖

絶対に出会うことを避けたい巨人なので、とにかく逃げ回り隠れなければなりません。
監獄をテーマにした迷路のアトラクションだったという兇人邸は、改築が重ねられて、さらに迷路のようになっています。
暗闇の中、懐中電灯の灯り(が、あれば良い方で、葉村は灯りさえ持っていません)だけを頼りに、不気味な屋敷の中を逃げ回るって、映画にしたら映えるんだろうなあ。

人の手による殺人事件

そんな中で起きる殺人事件。巨人の仕業とは思えない殺人が起き、人々はお互い疑心暗鬼になっていきます。
誰が、何の目的でやったのか。
協力して邸から脱出しなければならないときに、そもそも犯人を見つける必要があるのか。
犯人=探偵の敵なのか?という疑問が提起されており、とても考えさせられました。

衝撃的な鍵の入手方法

一行は、とある理由によって、外に出るための鍵を失くしてしまいます。
ある場所は分かっているのですが、それが巨人の住処にあるんです。
最後の最後に、その鍵を手に入れるのですが、その方法がものすごく衝撃的で、頭をガンと殴られたようなショックを受けました。
うわぁ。これってありなんだ。。。きっと皆さん、そんな風に思うんじゃないかなあ。

感想

読み始めて間もなく、巨人が登場して、みんなが死に物狂いで逃げるはめになったときに「え!?こういう展開!?」と思いました。
でも、すぐ後に「ああ、そういえば『屍人荘の殺人』の作者さんだったんだ」と思い出し納得。

とにかくホラー要素が強いです!
ホラーでハラハラしてて忙しいのに(笑)、殺人事件の謎まで考えなきゃいけなくて、脳みそフル回転でした!

正直、殺人の動機としてはちょっと弱いのでは……?と思わなくもなかったのですが、異常な状況下では、どんなこともアリのような気もします。

内容が濃すぎて、一度では消化できず。すぐにもう一度最初から読み返しました。
それでも面白い!くり返し読み返したくなる小説です。

おすすめポイント!

・ホラーテイストがたっぷり味わえる
・クローズドサークルが楽しめる
・最後まで分からない犯人
・葉村&比留子の活躍が見られる

「兇人邸の殺人」まとめ

実は、読み終えた瞬間に出た声は「は?」でした。
いや、ちゃんと事件は解決してるんですよ。殺人の犯人も動機も分かり、みんな脱出できて。
でも「は?」なの(笑)。
「ここで終わり?」って。
これは、アレですよね。多分、この後もシリーズが続くことを教えてくれてるんですね。
そんな不思議な終わり方でした。

でも、何でしょう。この身体の中に、というか、胸の中にグルグルした感情は。

もう一度読みたい!またあの世界に入ってみたい!

そんな気持ちが湧いてくる小説でした。
もちろん、お勧めです!

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