こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
「暗黒館の殺人」ようやく読み終わりました!!!(再読です)
いやー、長かった!途中で何度か離脱しそうになりました。(笑)
でも、じっくりじっくりと暗黒館の世界を味わうことで、いつの間にかその世界観にズッポリとハマってしまっている……そんな不思議な魅力のある作品でした。
謎解き部分で「こりゃ、ないんじゃないの!?」と言いたくなるときもありましたが……(^^;)
これは、好き嫌いが分かれる作品かもしれませんね。
重要なネタバレはしないように気を付けますが、この作品は多少のネタバレをしないと紹介が難しいかも。。。
多少でもネタバレしたら嫌と言う人は要注意でお願いします!
あらすじ
出版社に勤務している江南孝明は、ひとり九州の山奥にある暗黒館に向かった。
途中で車が大破し、暗黒館に助けを求めに向かう江南だったが、その日2度目の地震で暗黒館の塔から落ちてしまう。
一方、当主の息子である浦登玄児に招かれて、暗黒館を訪れていた大学生の中也は、初代当主の妻ダリアを偲ぶ宴で、怪しげな料理を口にする羽目になっていた。
暗黒館を訪れた日の夕刻、中也は地震の揺れで塔から落ちる人影を見かけ、玄児とともに助けに向かうが――。
見どころ
印象的な登場人物たち
まず特筆すべきは、とにかく濃い登場人物たちです。
印象的な人々を書いていくと全員になってしまうので、特に特に!印象的だった人物数人を簡単にご紹介しますね。
浦登玄児 現当主の息子ですが、姿も言動もとにかくミステリアスです。一度死んで生き返ったなんて話もあるくらい。
浦登美鳥・美魚 西洋人形のように美しいシャム双生児。
浦登清 早老症の少年。実際の年齢よりもずっと早く老化が進んでしまうため老人のように見える。
この辺りだけでもかなりインパクトがある登場人物なのですが、さらに玄児の義母と叔母は2人とも精神を病んでいたり、せむしの門番が居たりと、個性のありすぎるメンバーが次々と登場します。
ダリアの宴で饗される怪しげな料理
この小説の主人公ともいえる大学生の中也は、家族以外には参加が認められていないという秘密の宴に突然招かれます。
初代当主の妻ダリヤを偲ぶ宴のようなのですが、そこで出される料理が思いっきりアヤシイ。
ザラザラとした感触があり金臭いような赤ワイン
パンに塗る茶色いペーストは塩辛くて生臭い
赤黒いどろどろとしたスープは、やはり塩辛くて生臭い
怪しすぎますよね!どう考えたって、コレって〇肉なんじゃ……?
しかも中也君がスープを飲むのを止めようとしたら、全員の視線が集中して「食せ」の合唱ですよ。
このシーンは、読んでいてこちらまで胸が悪くなりそうでした💦
過去の殺人と現在の殺人
暗黒館では、中也が訪ねている間にも殺人事件が起こりますが、その18年前にも殺人事件がありました。
でも、警察には知らせずに処理してしまったとのことで、中也君がその謎を解こうと頑張ります。
過去の事件と現在の事件は関係あるのか、双方の犯人は誰なのか?
それ以外にも、暗黒館ではたくさんの人が亡くなっているらしく……詳しくは書きませんが、途中でかなりショッキングなシーンなども出てきます。
感想
読むのがかなり大変でした!
展開が非常にゆっくり。その代わり世界観はじっくり味わえます。
通常の文庫本1冊分くらい読み終わっても、まだ事件らしい事件が起きていない💦
それにところどころに登場する謎の「視点」が分かりにくくて参りました。
でも半分くらい読み進んでいくうちに、いつの間にか暗黒館の世界観にズッポリとハマってしまっているんですよ。
魅力的な登場人物や、不気味なしきたり、何だかヤバそうな過去。
どれも一度ハマるとクセになりそうです。
ただ、このトリックは賛否が分かれるんじゃないかなあ。
あまりにも「偶然の一致」が多すぎて「そりゃないよ~!」と言いたくなってしまいました!
謎の視点の正体も、そりゃないでしょ~!と。
ただね。
中村青司のファンの方には、大満足できるストーリーですよ!
間違いなく。
・印象的な人々の住む暗黒館の世界
・中村青司ファンを満足させるおどろきの展開
暗黒館の殺人は文庫本で全4巻になっています
「暗黒館の殺人」感想あとがき
今回も最初から騙されました!
細かいところを逃さずチェックしていれば「あれ?おかしいな」と気が付けるのでしょうが……。
とにかく長いし、描写も細かいし、場面は変わるしで、細かいところまで覚えていられない。
このヒントになる描写を埋もれさせるために、わざわざこんなに長いストーリーにしたんじゃ…と疑いたくなってしまいました(笑)。
じっくりの展開が大丈夫な方にはお勧めです。
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