『傷痕のメッセージ/知念実希人』最後に泣かずにはいられない!【感想・あらすじ】

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

ミステリー日本

こんにちは、ゆっこう(yuccow)です。

毎回のように本屋大賞候補にノミネートされている、人気作家・知念実希人さんの新作「傷痕のメッセージ」を読みました。

以前から知念実希人さんのファンだった私。知念さんの長編作品はほとんど読んでいます。
どれも面白くて、ときにサスペンス風だったり、ときにハートフルな展開だったりと読者を飽きさせない魅力があります。

今回の作品も、先に読んだ方々の評判は良さそう!これは読むしかない!

非常に面白くて、途中でやめられずにほぼ一気読みいたしました!(正確には2日に分けて読みましたけど)その感想をお伝えしたいと思います!

こんな人におすすめ!

医療ミステリが好きな人
謎解きとサスペンス両方を楽しみたい人
最後に感動したい人

あらすじ

主人公で医師の水城千早の父は末期がんだった。
その父の希望は「自分が死んだら絶対に解剖してほしい」というもの。
解剖の結果、父の胃壁から謎の暗号が見つかり、千早は友人の医師紫織とともに、暗号の解読に挑む。
それと同じころ、28年前の連続殺人が再開され、千早たちが巻き込まれていく。

見どころ&感想

息をつかせぬ展開

たった二人の家族であるにもかかわらず、心を通わせあえずにいる父と千早のシーンが冒頭に出てきます。
なんとか心を通わせたいと思う千早に、末期がんの父から「血がつながっているからと言って親子とは言えない」という厳しいひと言。
読んでいるこちらの心までグサッとさしてくれました。。。

その後、あらすじにもあるように父は亡くなり「自分が死んだら絶対に解剖してほしい」という遺言が知らされます。
千早が見守る中、紫織先生が解剖した結果、胃壁に刻まれた暗号が見つかるのです。

ここで解剖を担当した紫織先生ですが、まあカッコイイ!
亡くなった方の声を絶対に聞き取るという紫織先生の姿勢が素晴らしい。
憧れてしまいます。

父が亡くなるとすぐに、もと同僚という桜井が訪ねてきたり、千早が命を狙われ始めたりと息をつかせない展開が始まります。

ハラハラドキドキで、ページをめくる手が止まらないの!ホント!徹夜しそうになりました!

謎解きとサスペンスの融合

このころ未解決になっていた28年前の連続殺人と同じやり方で、再び殺人事件が起こり始めます。お察しのとおり、この事件と胃壁の暗号とが複雑に絡み合っていくわけです。

謎を解いていくにしたがって、次々と起こる想定外の事件がまた面白い!千早が○○を見つけちゃったり、命を狙われたり。
そうそう。それから読者が「そこ絶対命を狙われるでしょ」ってツッコみたくなる所に行っちゃったりね。

殺人事件の犯人で千早の命を狙っていた人間ですが、最後の瞬間まで分かりませんでした。
ええ、まったく。
すっかり知念さんに騙されてしまいました。

上質なミステリーとサスペンスの合わせ技が面白かったです!

溶けた謎に涙する

  • 父の昔の行動から謎を探っていく千早
  • 医療の方面から謎に迫って行く紫織先生

この2人のダブルスが最高でした!

そして物語終盤で、千早の父が最後に千早にかけた言葉の意味が分かるシーンがあるんですが、ここが圧巻!

「血がつながっているからと言って親子とは言えない」という父が最後に残した言葉。
その言葉の本当の意味が分かった瞬間は、忘れられません。

まるでオセロのコマがバタバタと一斉にひっくり返るような爽快感!
その一瞬後に押し寄せてくる感動。

涙が出てしまいました。

読み応えのある、とても印象に残る作品でした。
謎が解けた爽快感と、ラストの感動のダブルパンチ!面白かった~

おすすめポイント

物語の展開するスピード感に、ついついページをめくってしまい、読むのを止められなくなります。
また、過去の事件と現在の事件がどう関係してくるかの謎も気になって仕方がありません。
どうやらその事件と主人公が関係しているらしく、過去の事件が動き出すとともに狙われ始める主人公。このサスペンス感は最後の最後まで楽しめました。
最後には、感動で涙し、心があたたかくなること請け合いです!

おすすめポイント

・テンポの良い展開にぐいぐい引き込まれる
・過去の事件が再び動き出し、主人公が狙われるサスペンス感
・最後に訪れる温かい感動の嵐

「傷痕のメッセージ」感想まとめ

胃壁に残された暗号という、今までに聞いたことのない展開で始まるストーリー。
さすが小説家でもあり、お医者様でもある知念実希人さんの作品です。
医療ミステリ―&サスペンスの融合が素晴らしい作品でした。
最後に感動の涙まで流させてもらって、大満足の1冊でした。

コメント