こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
東野圭吾作品はかなり読んでいると思っていたのですが、まだ読んでいない作品があった!と見つけて読み始めました。
そうしたら、これ、短編……というのでしょうか。
短いストーリーが組み合わされて出来ているお話しでした。
実は、今回大失敗をしてしまいました!
これは、先に「ラプラスの魔女」を読んでおいた方が良い作品です。
私のように最初にこっちを読んでしまうと「???」が最後まで続き、なんともスッキリしない読後感を覚えてしまいます。
要注意です!
・ラプラスの魔女を読み終えている人
・ラプラスの魔女が面白すぎて、円華の活躍がもっと見たいという人
あらすじ
工藤ナユタは、依頼を受けてどこへでも治療に赴く鍼灸師。患者には有名スポーツ選手なども多かった。
あるとき、天才脳外科医を父に持つ羽原円華と出会い、彼女の能力に驚く。円華は風を読む力を持っていた。
この話は5話のショートストーリーになっています。ですので、各ストーリーごとに簡単なあらすじをご紹介したいと思います。
第1話
ナユタの患者、スキージャンパーの坂屋幸広は、記録が伸びず引退を考えていた。
自信を無くしている坂屋に、応援に来た4歳の息子の前で表彰台に上る姿を見せてやりたいと思うナユタに、円華はジャンプ台に吹く難しい風を読んで見せると言い出す。
第2話
野球選手の石黒達也は、コースの読めないナックルボールが売り物だった。
そのボールを取れるキャッチャーが引退することになり、代わりのキャッチャーが決まらない。
自信を無くしている後任のキャッチャー山東に、やる気を出させるために、円華はプロでも難しいナックルボールのキャッチングをして見せる。
第3話
ナユタの恩師である石部憲明は、息子が水難事故に遭い植物状態になっていた。
石部は、事故のとき、息子を助けるために水に飛び込もうとしていた妻を引き留めていた。自分は間違っていたのか、自分が水に入れば助けられていたのではないかと、悩む。
川の流れの中で、本当に助けることはできたのか、円華が水流を読む。
第4話
盲目のピアニスト朝比奈一成は、仕事と人生のパートナー尾村を亡くして立ち直れずにいた。
自分のせいで、尾村が自殺したと思っていたのだ。
尾村が死んだ現場は、用のない人間がわざわざ立ち入るような場所ではなく、警察も自殺の可能性が高いとみていた。
本当に自殺なのか、円華がその謎を解く。
第5話
大学教授の青江修介は、温泉で起きた硫化水素事故について調査を依頼された。
現場に赴く青江は、3年前に起こった温泉での硫化水素による事故のことを回想する。
(ラプラスの魔女の前日譚になり、これにはナユタは登場しない。)
感想
発達障害やゲイに関してなど、重たい題材を扱っている話ですが、どの話も面白く読めました。
ただ、残念ながら私は「ラプラスの魔女」を未読だったため、
終始「???」と感じる所や
伏線がそのままで話が終わってしまった!!!?
と感じられる個所などがあり、読後感は気持ち悪いままでした。
また、「ラプラスの魔女」未読の立場からすると、5番目の話はナユタさえも出てこず、突然全く知らない人の話になっています。
ストーリー自体は面白いのですが、気持ち悪さが先に立ってしまって楽しむことができませんでした。
この本は、絶対に「ラプラスの魔女」を先に読んでから読むべきです。
ラプラスの魔女を読んでみて、なるほど!とようやくいろいろと納得がいきました。
こっちを後に読んでいたら、もう数倍数十倍は面白く感じられたと思います。
順番を間違えたのが非常に残念でした!
おすすめポイント
ラプラスの魔女を読み終わってしまい、寂しく感じているときには、最高に楽しめる作品です。
ナユタという、突然出てきたキャラの立ち位置が分かると更に面白さは倍増。
ここまで、さりげなく上手く前作「ラプラスの魔女」と絡ませているのか、と感動するほどです。
読み終えたときには、パズルのピースがピシッとハマった気持ち良さを感じられると思います。
「魔力の胎動」感想まとめ
返す返すも「ラプラスの魔女」より先に、こちらを読んでしまったことが悔やまれます。
できたら「ラプラスの魔女②」とか「続・ラプラスの魔女」とかいう題名を副題で良いから付けて欲しかったです。
ホントに、どちらを先に読んだかで、これほど面白さが変わってしまうなんて!
最後にもう一度、いや、大切なことなので2回言います。
ラプラスの魔女が先!
ラプラスの魔女を先に読むべし!
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