こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
「クリスマスにはクリスティーを」
このフレーズは、クリスティーが活躍していた当時、彼女の新作が年に1冊のペースで、クリスマス前に発売されていたことからできたキャッチコピーだそうです。
私も何となくこの季節になるとクリスティーの作品が読みたくなります。
で。
やはり最初にご紹介するなら「スタイルズ荘の怪事件」だろうと再読いたしました。
「スタイルズ荘の怪事件」はクリスティーの処女作です。
有名な探偵エルキュール・ポアロが誕生した物語でもあります。
クリスティーの作品は、どれから読んでも、そんなに大きなネタバレは無いと思いましたが
アガサ・クリスティーを読んでみたいけど、まず何を読めば良いの?
という方は、まずはスタイルズ荘~から読んでみるのはいかがでしょうか。
あらすじ
軍の休暇中、ヘイスティングズは、友人に招かれてスタイルズ荘に滞在することになった。ところが、到着して間もなくスタイルズ荘の女主人が毒殺されてしまう。
ヘイスティングズは、村に滞在していた旧友のベルギー人エルキュール・ポアロに捜査を依頼することを提案する。
見どころ
ポアロの登場
何と言っても大きな見どころのひとつとして、ポアロの初登場は外せません。
世界的にも有名な名探偵の誕生の瞬間ですから!
このときポアロはベルギーから亡命してきて間もないころ。
その亡命に力を貸してくれたのが、毒殺された女主人のエミリーでした。
彼女のためにも犯人を必ず見つける!と捜査を始めるポアロ。
灰色の脳細胞が活躍します。
超絶几帳面な彼は、最初からそのままなんですよね(笑)。
スタイルズ荘の人間関係
事件の起きたスタイルズ荘には、家族の他にもたくさんの人々が滞在しています。
女主人のエミリー・イングルソープ
義理の息子のジョン・カヴェンディッシュとローレンス・カヴェンディッシュ
エミリーと最近結婚したばかりの年下の夫アルフレッド・イングルソープ
ジョンの妻メアリ・カヴェンディッシュ
エミリーの友人エヴリン・ハワード、エミリーの旧友の娘シンシア・マードック
その他にも使用人が数人います。
エミリーはお金持ちですから、どう考えても遺産目当てにしか見えない若い夫に対して義理の息子たちは悪い感情しか持っていないし
ジョンとメアリの夫婦はそろって浮気してるっぽかったり。
とにかく人間関係がドロドロしてるというか、複雑です。
そんな中で起きるべくして起きた殺人事件。
容疑者はたくさんいるわけです。
当てられない犯人
読者はポアロやヘイスティングズと一緒にたくさんの手がかりを得ていくので、犯人を推理することができます。
が。
まったく当たりません(笑)。
これが犯人か!
と思わせられてからも、それが2転3転するんですよ!
いったい犯人は誰!?
と、ややお手上げ状態になった所に明かされる真実。
こんなのあり得ないでしょ、とか、ずるい!とか、思うことなく
「ああ、そうか!!!」
と、納得させられるんですよね。
読み進めながら「この人が犯人だ!」と考えながら読むのにピッタリな作品です。
(当たらないけど笑)
感想
舞台は第一次世界大戦中のイギリスの田舎町です。
その時代の〇〇館とか、〇〇荘という大きなお屋敷の雰囲気を味わえるのが楽しい♪
執事こそいませんでしたが、庭師がいたりメイドがいたり。
その中で起こっている人間模様も面白かったです。
そして、これだけ手がかりが示されているのに、当てられない犯人(笑)。
自分なりに犯人と、その動機や方法を想像して(私の場合推理と言うより想像です)みるのがクリスティーを読むときの楽しみ方ですね。
ああ、楽しかった!!!
・ポアロのイギリスでの初仕事ぶり
・昔のイギリスのお屋敷の雰囲気
・複雑な人間関係
・なかなか当てられない犯人
「スタイルズ荘の怪事件」感想あとがき
久々に読んで犯人を忘れていたので、すっかり翻弄されてしまいました。
この人が犯人か、と思わせられてからの2転3転がすごい💦
これが処女作とは……しかも、その後も同じように高レベルの作品をたくさん書いてるなんて
さすがアガサ・クリスティー!
しばらく忘れていた、彼女の作品を読むときのワクワク感がよみがえってきました!
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