こんにちは!ゆっこう(yuccow)です。
私が知念実希人さんの大ファンになったキッカケの作品をご紹介します。
ユーモアのある読みやすい文体、漂う切なさ、ハラハラドキドキのサスペンス風味。
とにかく読み応えがあって、一度読んだらハマってしまう作品です!
あらすじ
「我が主様」からの命を受けて、ゴールデンレトリバーの姿で地上に降り立った死神のレオは、洋館を改築したホスピス「丘の上病院」で死期の近い患者たちの過去の謎を解いていく。
この洋館では7年前に殺人事件が起きていたが、秘密の地下室が発見され、未解決のままだった殺人事件が再び動き出す。
見どころ
死神レオのキャラクター
「高貴な私」は「下賤な人間」とは違う、と言いつつも好物のシュークリームを見るとよだれがダラダラ。しっぽは、はち切れそうに振ってしまうレオ。
あくまでも、それは犬という器の本能のせいで、決して自分が望んでいる事ではない、と言い張るプライドの高さと、実際の行動のギャップが最高です。
ひとりひとりの人生
レオはホスピスの患者一人一人の未練を聞き出して、その謎を解くことで未練から解き放って行きます。
そのひとつひとつのストーリーがそれだけで短編小説のように読み応えと魅力があります。
読み進めていくと、ばらばらに思えた各人のストーリーにつながりが見えてくるのも面白いです。
殺人事件の謎
患者たちの未練を解消していくにつれて、だんだんと過去の未解決殺人事件の謎が現れてきます。
レオと一緒に手がかりをゲットしていくストーリー展開にワクワクさせられました。
サスペンス
秘密の地下室を発見したことで、過去の殺人事件が一気に動き出すのですが、その急展開も楽しいです。
ホスピスが銃を持った男たちに襲撃され、その犯人たちに立ち向かう患者たちの奮闘は、見応えがありました。
感想
レオの一人称で書かれているこの作品は、文体がいつもと違っていて、すごくユーモアたっぷりです。
読みやすくて楽しくて、あっという間に読み進んじゃう!
クスっと笑えるシーンがとにかく多いの。
レオという死神のキャラが楽しくて、ホスピスという舞台の重さを感じさせません。
また、レオが解消していくひとつひとつの謎が、過去の殺人事件の手がかりになっていくというストーリーも面白い。
何よりも好きなのが、間もなく死を迎えるという患者たちが銃を持った犯人たちと闘うシーンです。これは最高でした!
弱い者が知恵をしぼって、協力し合って悪人に立ち向かっていく爽快さは、まるでホームアローンみたいです。
全てにおいて大満足で、イチオシの知念作品です!!!
・ユーモラスな語り口
・小さな謎を解くことで、いつの間にか大きな謎の手がかりを得ていく謎解き
・サスペンスが楽しめる
「優しい死神の飼い方」まとめ
知念実希人さんの作品でお勧めはどれ?と聞かれたら、たぶん真っ先にこの作品をお勧めすると思います。
主人公レオのキャラと、ユーモアあふれる語り口、謎解き、サスペンス、そして切なさ。
たくさんの要素が混ざり合って、楽しくて感動できて、魅力がたくさん詰まった作品です。
「どれから読もう」と迷ったら、まずこの作品を読んでみて欲しい。
「知念実希人の本って面白いの?」と、疑って?おられる方、とにかくコレ読んでみて!!!
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