こんにちは。ゆっこう(yuccow)です。
絵本の読み聞かせ歴16年・学校図書館司書教諭の資格を持つ私が、小学生への読み聞かせにおすすめな絵本を紹介しています。
今回、ご紹介するのは私の大好きな絵本「てぶくろ」ウクライナ民話(福音館書店)です。
小学校1~2年生の、冬の読み聞かせにピッタリな絵本です。
・小学校低学年
・秋の終わりから冬
あらすじ
森を歩いていたおじいさんが、てぶくろを片方落としていきました。
ねずみが見つけて住みつきますが、かえるに、うさぎ、きつねとみんながどんどん「入れて」とやってきて、てぶくろの中はぎゅうぎゅうに。
ついには、おおかみや、くままでもが訪れて……。
(所要時間 約4分)
絵本の魅力
小さいはずの手袋にどんどん動物たちが入っていく不思議。
そして住人が増えるにつれて、どんどんバージョンアップしていくてぶくろハウスの様子が楽しいです。
読み終わった後は、いっとき不思議な世界に迷い込んでいたような、そんな気持ちにさせてくれる絵本です。
読み聞かせポイント♪
住人が増えてぎゅうぎゅうになったてぶくろは、いつの間にか窓が増えていたり、煙突ができていたりします。
子どもたちは、その変化を目ざとく見つけて「あ!窓ができてる」「煙突だよ」と楽しんでくれます。
住人が増えて、ページをめくった後は、すぐに読み始めず、子どもたちがてぶくろハウスの変化を楽しむ間をとると良いと思います。
読み聞かせ時のエピソード
1年生のクラスで読み聞かせをしたときのこと。
この絵本は「 」(会話)部分が多いので、登場した動物ごとに少しだけ声のトーンや読む速さを変えてみました。
そうしたら、おおかみの所で声を低くし過ぎてしまい、ちょっと怖い声に💦
一番前にいた女子児童に「こわい……」と、言わせてしまいました。
しまった、やりすぎた!
と、とっさにその後のおおかみのセリフをおどけた調子で読んで、回復をはかりましたが。。。
やはり、絵本本来の良さを伝えるには、あまり声の調子などは変えすぎず、淡々と読むくらいがちょうど良いのかも、と感じた出来事でした。
絵本の情報
ウクライナ民話「てぶくろ」エウゲーニー・M・ラチョフ絵 うちだりさこ訳 (福音館書店)
最後に
最初は、片っぽの小さなてぶくろだったのに、いつの間にかクマまで入れる大きくて立派なおうちになっているてぶくろ。
でも、最後にスーッと元の手袋に戻ってるんです。読み終わった後に不思議な世界に迷い込んでいた余韻を感じられるところが大好きです。
初版は1965年。長く読み継がれている名作中の名作ですね。
読み聞かせだけでなく、冬の寒い日に、ぜひ親子で読んでいただきたい絵本です。
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